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調剤薬局はどこが安い?安くする方法は?安い薬局の見分け方

調剤薬局 どこが安い

この記事では、調剤薬局はどこが安い?について書いています。

病気やケガをしたときに利用する病院や薬局。

身体に関わる大切なことなので費用が掛かるのは仕方ないことですが、できる限り安く済ませたいものですね。

スギ薬局の処方箋は安い?」なんて噂も出回っています。

どうせなら、調剤薬局を安くする方法を知りたいというのは私だけではないはずです!

そこで今回は、調剤薬局はどこが安いかを紹介していきます。

お薬代の仕組みやなぜ料金に違いが出るのかについても解説していますよ。安い薬局の見分け方をチェックしておきましょう!

調剤薬局はどこが安い?どういう仕組み?

調剤薬局 どこが安い

それでは早速、調剤薬局はどこが安いのか紹介していきます。

結論からいうと、どの調剤薬局が安いかはパッと見で決めるのは難しいです。

ただ、もっとも安いとされているのは病院の建物内にある院内薬局

医薬分業が進んでいて、現在は減りつつある院内薬局ですが、もっとも薬代が抑えられます。

院内薬局以外の調剤薬局は一般薬局や面対応薬局、門前薬局などがありますが、一概にどこが安いかは決められない場合が多いです。

理由は、お薬代は薬の種類や薬局ごとの調剤料、薬局ごとの加算で決まるため。

だからこそ、調剤報酬の仕組みや加算を理解することこそが、お薬代を安くする第一歩といえます。

まずは薬を買ったときの領収書を確認して、抑えられるところがあるかをチェックするのがおすすめです。

ぜひ、手元にある領収書を見ながら読み込んでみてくださいね。

調剤報酬の仕組み

お薬代は、基本的に「調剤基本料+調剤料+薬学管理料+薬剤料」で決まります。

インスリンの注射器などがある場合には、上記+「特定保険医療材料」に。

調剤報酬は、以下のように薬局ごとに料金が変わるものと変わらないものがあります。

項目内容薬局による料金の違い
調剤基本料
(調剤技術料)
・医薬品の備蓄(廃棄、損耗を含む)、建物、調剤用機器等の体制整備に関する経費
・薬局の運営維持費を評価したもの
〇変わる
薬剤調剤料
(調剤技術料)
・処方内容の確認、医師への問合せ(疑義照会を含む)、薬剤調製、調剤録の作成
・保存等の業務に係る技術料・医薬品調剤を行う際の技術を評価したもの
・医薬品の種類(内服薬、屯服薬、外用薬など)によって異なる
〇変わる
薬学管理料・薬剤師の対人業務(患者や医療関係者とのやり取り)などを評価したもの
・一般に「薬剤服用歴管理指導料」で算定
・患者が特定の薬剤師をかかりつけ薬剤師として指名すると
「かかりつけ薬剤師指導料」に変わる
〇変わる
薬剤料・国によって決められた医薬品そのものの価格×変わらない
特定保険
医療材料
・自宅で自分でする注射や、在宅医療で点滴をしたりするときの医療器具の料金×変わらない
参考:厚生労働省|調剤報酬の体系

調剤報酬それぞれの価格は点数で表され、1点=10円で計算されます。

単純に考えると、点数が低いほど薬代が安くできるということですね。

調剤基本料が変わる理由は?

調剤基本料は以下の3つの項目に分けられます。

  • 調剤基本料1・2・3
  • 特別調剤基本料A・B
  • 分割調剤

上記の中で、特に料金が変わる項目は「調剤基本料1・2・3」。

そのため、今回は調剤基本料を中心にお伝えしていきますね。

調剤基本料の区分と点数、3割での自己負担額は以下の通りです。

区分点数3割負担の場合の自己負担額薬局の形態
調剤基本料145点135円個人経営の薬局など
調剤基本料229点87円病院の前にある薬局(門前薬局)
調剤基本料324点72円チェーンの薬局
19点57円
35点105円
参考: 厚生労働省|令和6年度診療報酬改定

調剤基本料ではチェーンの薬局や門前薬局の方が、個人経営の薬局よりも安い傾向にあります。

ただし、上記はあくまで調剤基本料のみ。

実際に支払う薬代は調剤基本料のほかに、料金が加算されます。

チェーン店だから安い、個人経営の薬局は高い、とは一概に決められないのは、基本料以外の料金が加算されるためなんです。

調剤基本料は、さらに「加算」がある

調剤基本料にはほかに、以下のような加算があります。

  • 地域支援体制加算(1・2・3・4)
  • 連携強化加算
  • 後発医薬品調剤体制加算(1・2・3)
  • (後発医薬品減算)
  • 在宅薬学総合体制加算(1・2)
  • 医療DX推進体制整備加算

上記のなかでも一般的な薬局の支払いで特に料金を左右するのは、次の2つ。

  • 後発医薬品調剤体制加算
  • 地域支援体制加算

それぞれの要件や点数・自己負担額は以下の通りです。

【後発医薬品調剤体制加算】

項目要件
(ジェネリックの調剤数量の割合)
点数3割負担の場合の自己負担額
後発医薬品調剤体制加算180%以上21点63円
後発医薬品調剤体制加算285%以上28点84円
後発医薬品調剤体制加算390%以上30点90円
参考:厚生労働省|令和4年度診療報酬改定

後発医薬品調剤体制加算は、ジェネリック医薬品を取り扱う割合に応じて異なります。

ジェネリック薬品が多いほど加算額が高く、少ないほど安いです。

ジェネリック薬品は安いけど、ジェネリックを多く扱う薬局ほど高くなりがち、というように覚えておくとよいでしょう。

項目調剤基本料の区分実績要件点数3割負担の場合の自己負担額
地域支援体制加算1調剤基本料1必須1つを含む3つ以上32点96円
地域支援体制加算28つ以上40点120円
地域支援体制加算3調剤基本料1以外必須2つを含む3つ以上10点30円
地域支援体制加算48つ以上32点96円
参考: 厚生労働省|令和6年度診療報酬改定

地域支援体制加算は、一定の実績要件を満たした薬局に加算されるもの。

実績要件には夜間や休日の対応実績やかかりつけ薬剤師指導料等の実績などがあります。

緊急のときに対応してくれる薬局や在宅患者へのケアなど、地域に根差した薬局が加算されやすいと覚えておきましょう。

調剤薬局で安くする方法

調剤薬局 安くする方法

調剤薬局で安くするポイントはズバリ、「不要な出費を避けること」に尽きます。

不要な出費を避けるためには、以下のような方法を検討しましょう。

  • ジェネリック医薬品を選ぶ
  • 平日夜間・土曜午後・日祝日を避ける
  • かかりつけ薬局・お薬手帳の利用
  • 症状に応じて市販薬を検討

より安価なお薬を選んだり、時間に気を付けたりすることで、安くお薬を買えますよ。

ジェネリック医薬品を選ぶ

ジェネリックとは後発医薬品で、新薬の特許が取得されたあとに販売されるお薬。

ジェネリックの薬剤料は新薬より安く、約2~7割程度とされています。

ジェネリック医薬品を選ぶことで、出費を抑えられますよ。

夜間・土曜午後・日祝日を避ける

夜間や土曜の午後、日曜や祝日の調剤は、通常よりも高くなります。

そのため、薬代を安くするならできるだけ値上がりしない時間に行きましょう。

休日や時間外での加算は以下の通りです。

項目要件(調剤する時間)点数3割負担の場合の自己負担額
時間外加算開局時間外の6:00~8:00、18:00~22:00基礎額の100%基礎額の30%
休日加算開局日外の日・祝日、12月29~1月3日基礎額の140%基礎額の42%
深夜加算開局時間外の22:00~翌6:00基礎額の200%基礎額の60%
夜間・休日等加算開局時間内の19:00(土曜は13時)~翌8:00、または 休日40点120円
参考:日医工医療行政情報

基礎額とは、「調剤基本料+調剤料+施設基準関係加算」で求められます。

ちょっとややこしいですが、カンタンにいうともともとの薬の値段が高いと加算される金額も高くなるということ。

ちなみに、22時以降の深夜がもっとも高く、続いて休日、加算が安価なのが平日の朝・夜間なので、覚えておくとよいでしょう。

かかりつけ薬局・お薬手帳の利用

かかりつけ薬局やお薬手帳を利用することも、薬代を安くするポイントのひとつ

3ヶ月以内に同じ薬局を利用+お薬手帳の提示で、1回あたり40円程度安くなります。

小さな金額ではありますが、薬を購入することが多い人や長期治療をする人はバカにならないですよね。

また、調剤薬局は病院やクリニックの周りにあるので、つい近くで済ませてしまいがちになります。

意識してかかりつけ薬局をつくり、同じ薬局で買うようにすれば薬代を安くできますよ。

症状に応じて市販薬を検討

症状によっては、薬局で販売されている市販薬を選ぶのも安く済ませる方法のひとつ

最近は、処方箋と同じ有効成分を含んだスイッチOTC医薬品も登場しています。

ロキソニンやカロナールなどが、処方箋なしでドラッグストアで買えるようになりましたね。

混雑した病院に行くリスクや手間、待ち時間を大きく省けるのもメリットですね。

また、病院で診察後に薬局で薬を処方してもらうと、初診料・再診料や診察代で高くつく可能性も。

とはいえ、日本の医療費は年齢に応じて1~3割程度なので、市販薬の購入よりも軽くなることも十分に考えられます。

さらに、軽いと思っていた症状が悪化する恐れもあります。

簡便性や費用にとらわれすぎず、きちんと医師の診断を受けることも重要です。

長所と短所を考えながら検討してみてくださいね。

医療費控除を申請

調剤薬局での支払いを抑えるわけではありませんが、一定の医療費を支払った場合確定申告で還付が受けられることも

以下の要件に当てはまる場合、税金が戻ってくる可能性がありますよ。

  • 実際に支払った医療費の合計>10万円
  • 特定一般用医薬品等購入費の合計額>12,000円
  • その年の総所得が200万円未満の場合、総所得金額等の5%

実際に支払った医療費とは、お財布から出ていった金額のこと。

つまり、3割の自己負担の額ということですね。

払った金額が10万円を超える場合やドラッグストアで12,000円以上薬を買ったなら、税金が戻ってくるかもしれません!

可能性がある人はぜひチェックしてみてくださいね。

まとめ

今回は、調剤薬局はどこが安いかについてお伝えしました。

調剤薬局はここが安い!というのはなく、薬局の形態や地域への貢献度、ジェネリック薬品の取り扱い割合などにより異なります。

また、受け取る曜日や時間帯によっても薬代が高くなるので注意が必要です。

薬を買う回数が多い人や今までお薬手帳を活用していなかった人は、お薬代が安くなる可能性が高いですよ。

ぜひ、今回紹介した内容を参考にして、賢く調剤薬局を安く済ませましょう!